手造りレンガ10万個!!まるで城塞!一人の男が造り上げる巨大すぎる喫茶店!!【大菩薩峠】潜入記
徳島県は阿南市に、レンガ造りの超DIYな喫茶店があると聞きつけ【大菩薩峠】にDECO-PONスタッフが潜入!!
徳島県でも中心部から南の方角に位置する阿南市。神戸淡路鳴門自動車道や徳島自動車道などの主要道からも離れてるので、なかなか通る機会もない場所に構えてます。
徳島市内から約一時間。のどかな田舎道を進んでいくと、突如ドドーンと見えてくる場違いな建築物!!!!
今回のスポット【大菩薩峠】に到着!!!!
一見ここが「喫茶店」というのは、まったく想像のつかないフォルム。
まるで古城!!!!もしくは廃城!!廃墟のようです!!
広い駐車スペース。駐車してるのはおそらく店主のクルマかな?クラシックカーが映えます。
もう完全に、ここだけアジア離れしたエリアですね。
馬車の車輪のような丸い窓枠。
車輪に合わして作ったのでしょうか?それとも車輪を合わして作ったのか?
よくよく見ると、そのディティールは凄まじい拘りが伺えます。
ずっしりレンガ作りの電塔も味があります。
建物内を貫けるスロープがあるのも特徴的。車でも中に入れるようです。
絡みつくツタ。年季の味が染み出てます!!
こう見るとスチームパンクのような世界観も兼ねそろえてますね!!
さて、この喫茶店【大菩薩峠】ですが、いったいどんな経緯で今日まで至ったのか説明させていただきます。
この大菩薩峠を建設したのは、オーナーである島利喜太(しま りきた)氏。
島氏は20代の頃、家業の農業を手伝いながら、数年を掛けて日本一周の旅へ。その中で立ち寄った山梨県の大菩薩峠の雄大な景色に感銘を受け、「自分の山にも万里の長城を築きたい」との思いを抱いたそうです。元々コーヒー好きであった島氏は、「大菩薩峠」「万里の長城」いずれかの名を持つ喫茶店を地元の徳島県阿南市に開業しようと思いついたそうです。
さっそくレンガ造りの建築に取り掛かったものの、近隣のレンガ工場では法人向け生産しかしてなく、個人向けには供給してくれなかった。堪り兼ねて島氏は自ら裏山に窯を作り、レンガを焼き始めたそうです。
なんと・・その焼き上げたレンガの数・・約10万個!!!!しかも自分一人で積み上げから敷き詰めまでセルフビルド建築!!!!もちろんデザインはほとんど自己流!!!!
建築の作業は1966年頃から開始され、約5年後の1971年10月10日に開店。創業は46年!!(2017年現在)
しかしながら冷静に客観視すれば、何世紀経っててもおかしくない廃墟感。
ということで、いよいよ潜入!!
まずスロープを通って建物中へ入っていきます!!!!
スロープ内。建物2階の底は木造?!
弧を描いて進んでいくと、敷地の中心部は開けたスペースが見えてきました。
表からも見えたシンボル的なレンガの巨塔がここから伸びてますね。これ一人で積み上げるの命がけですよね・・・
ちなみに塔が立ってる方が奥側の建物となります。
建物中心部は、こんな感じの広場になってて駐車スペースにもなってるようです。
広場からスッと建物内部へ。
少し足を踏み入れると、外観とはまた違った遺跡のような錯覚・・
ホントここは日本でしょうか?!ジブリの世界にもみえてきました・・・
金属を切り出してつくった「大菩薩峠」プレート!!
こちらは建物前面エリア。喫茶店になっている部分のようです。
まずは、塔が立っている奥の建物から潜入してみたいと思います。
ジグザグ通路を渡って奥へ!!
さぁ内部へ潜入!!!!
どうやらここは島氏の作業所のようです。
工具から木彫り造形物まで乱雑に置かれてます。
あちらこちらにある奇妙な彫り物と、壁には謎の暗号が・・・
これはいったい何で誰?
家具も作ってるようです。自然本来の木型を活かした椅子たち。
調査の結果、奥の建物は作業所オンリーということでした。
さらに奥へ進んで建物の裏山まで来ました。
奥に何やら石の遺跡のようなものが?・・・
なんと石柱の間に女体像がお目見え!!!!
その横にも、もう一体の像が?!!!
これも製作した「石の庭園」だそうです。
色気むんむんセクシーポーズ。この石像も島氏が制作したものなのか?!
凄まじいクオリティ・・・・
対照的におしとやかな女性の像。服もきちんと着てます。
石の庭園の横には窯が。ずいぶん使われた様子はないですが、ここでコツコツとレンガを焼いていたそうです。
石の庭園からこちらへ進むと、さきほど紹介した中心部の広場へ戻ります。
さて、元のルートを戻って正面までいきましょう。
正面まで戻って来ました。
次は入口正面から、喫茶店の内部へ潜入!!
レンガ積みの階段をあがっていきます。雰囲気あってワクワクする通路。
くるっとまわって入口がみえてきました!!
入口の扉は、ずっしり頑丈な金属一枚板!!!!
取っ手は、またもや金属板を切り出して作られた「大菩薩峠」プレート!!!!
何度も言いますが、細部まで拘ったディティールはハンパじゃないですね・・
入口通路には、島氏が作った家具に抽象的な彫り物たち。
いよいよ店内へ潜入してみます!!
店内は、柔らかくて癒しの空間!!!!
外観からも見えた車輪を嵌め込んだ窓。自然光に照らされた優しいエコな空間!!
作業所にもあったように、
テーブルやイスも島氏のオリジナル!!手間暇かけてつくった拘りの造形が見て取れます。
もちろんですが、家具のデザインも自己流!!!!
内部の壁にも車輪が嵌め込まれてます。
こんな風に、向こう側のフロアが見えて自然光がいき渡る仕組み。
奥の間もイイ感じ。入口も円形の拘り!!!
レトロなオルガンに暖炉、自然の造形を活かしたインテリア。木の温もりと手作りのレンガで敷き詰められた贅沢なDIY空間!!!!
おっと!メニュー表は「扇子」!!!!
潜入の締めに、クレープセットを注文!!!!
なんだか昭和感ある懐かしい感じ。珈琲と一緒に美味しく頂きました!
これで、すべての潜入調査が終了!!!
島氏のセンスと並々ならぬDIY精神。愛情と自然が調和した温かみ。そしてまた違った側面からの奇怪さと廃墟感。無国籍で異世界建築物!!
個人的に、ここまできたら重要文化財になってもおかしくないレベルのお店だとおもいました。
増築を重ね、ここまで巨大化した喫茶店。
じつはまだ「未完成」で時より進化してるのこと・・・
まさに徳島のガウディですね。
記: Charlie Apple (2017.03.26)
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