ワールドクラスの巨木建築！！地獄感満点の秘湯！【川辺温泉】潜入記
鹿児島県は南九州市に、知る人ぞ知る超ド級の巨木建築温泉【川辺（かわなべ）温泉】の噂を聞きつけ、DECO-PON隊員がさっそく潜入して参りました。
 |
 |
 |
 |
 |
 |
鹿児島市内から車でおよそ1時間半
ナビを頼りに、のどかな水田風景が広がる道路沿いにはを走っていると、その巨大な門は、こつ然と現れます。
 |
 |
 |
 |
 |
左脇には仏像が鎮座しており、「掛け流し」「♨︎温泉」のぼりが無ければ、日帰り温泉だとは分からないかもしれません。
 |
 |
 |
建物は体育館位の大きさですが、柱の一本一本が巨木すぎて、周囲の建物と見比べると、そのスケール感に圧倒されます。
 |
 |
 |
 |
▼とぐろを巻いた根と、折り重なるように葺かれた屋根が、見る角度によっては、崩れたようであり、材木置き場のようでもあり。。どのような構造で支えられているのか、様式にとらわれないダイナミズムに圧倒されます。
 |
 |
 |
 |
およそ30年前に作られたということですが、脱構築系として知られた、アメリカの”かの建築家"の作風を先取りしているようでもあります。
 |
 |
▼ところが、この門の先に温泉があるかというと、本当の入り口は、脇の私道沿いの奥まった所にあり、ログハウス風のこじんまりとしたドアです。
 |
 |
 |
 |
|
浴場は、およそ10年前に改築されたということで、最初に男湯と女湯を分ける巨木の根こちらを向いて、驚かされます。
 |
 |
 |
 |
▼中に入ると、やはり銘木の柱やオブジェがのたうち回り、ウッディを通り越して、まるで迷宮のようです。
 |
 |
 |
外から見ると広そうですが、巨木が室内を占領しており、不思議な森の中の散歩道といった趣があります。
|
|
 |
 |
▼見上げると、鴨居にも木彫りの仏像があり、木の根を掘って作られた椅子やら、壁から天井にかけて組み木が複雑にからみあい、ひとつの宇宙観を表現しているようです。
先客がいるので、脱衣所から先は撮影できませんでしたが、浴場はコンクリートと天然石を積み上げたつくりで、掛け流しの良い温泉が浴槽に溢れていました。
アヴァンギャルドなインテリアにも関わらず、地元のおじさん達が、お昼からのんびりとお湯に浸かっていて、不思議な、なごみ感が伝わってきます。
 |
 |
 |
 |
▼ところで、駐車場を隔てた反対側にも同様の建物があり、周囲には工具類が散乱していて、こちらは建築中のようです。
番台の女主人に尋ねてみると、先代の主人が憩いの場として作ろうとしたものの、志半ばにして亡くなられたそうです。
 |
 |
許可を貰い、中を見学させていただきました。
▼巨木をくり抜いて作られた、エントランスに圧倒されつつ中に入ると、やはり、うねる巨木の世界。
 |
|
▼作りかけの部材が所狭しと置いてあり、足の踏み場も無い程です。
 |
|
中程には、男と女と宇宙をめぐるメッセージが掘られた銘木と、直径1メートルはあろうかという、茶釜がしつらえた炉端に、やはり圧倒されました。
この異空間で、湯上がりに囲炉裏を囲みつつ、夜ごと焼酎が酌み交わされる光景を妄想してしまいました。
 |
 |
▲ご主人は、温泉を作られるにあたり、男と女のルーツに考えが及んだのでしょうか。
最後に、銘木に彫られたメッセージを引用します。
太古の昔
人類が誕生するに至って
神の心の相で男は誕生し
仏の心の相で女は誕生する
男と女は体と心がちがい
心の自由を求めても
心の平等はありえない
男は男の心をもち
女は女の心をもつ事に
よって成り立っている
頭の知恵は限りがあるが
心の知恵は限りがなく
無限に等しい
心の知恵は仏の知恵で
あるがゆえに
神仏の道が人の道なり
先祖の道が神仏の道なり
二〇〇二年吉日
記/ 門松弘樹 （2015.05.14）
