大分県は日田市にある【中津江村】と言えば、サッカーワールドカップのカメルーン代表をひたすら応援するカルトな村ということで知られていますが、かつては、【鯛生(たいお)金山】が有名で、最盛期には東洋一の金を産出していたそうです。
当時の坑道の一部が、地底博物館として公開されており、文字通りのアンダーワールドに潜入。
入口付近は、大型トラックが入る程広いですが、徐々に狭まり、坑道を支える丸太の柱がテーマパークのようでありつつも、リアルな岩肌に圧倒されます。
狭い坑道を抜けると、広々としたドームに到着。巨大な採掘機械がスポットライトに照らされ、岩の中に浮かび上がります。
井戸のように掘られた縦穴は、深さ500mもあり、さらに下へと鉱夫を送り出していたのでした。
どれ位進んだのか、お客さんがバラけだし、気がつけば、一人探検状態に。家族連れの笑い声が遠くになるにつれ、今度は自分の心臓の鼓動が聞こえてくるような
閉所恐怖症の方は要注意ですが、地底の奥深くにいて、日頃使わない感覚が覚醒していくような、ちょうどその時。
その先には、約50mものイルミネーションのトンネルが!!!!
調べてみると、他の金山にも似たような演出があり、金山観光のピークタイムお決まりの演出なのでしょうか?
否、これは金を求めて当時の鉱夫たちが見た、トゥルーイルージョンだったのかもしれません。
坑道が登り坂になって、コースの後半になると、江戸時代の採掘シーンになり、地上に近づいているせいもあってか、空気も和みだします。
途中、金にあやかった、お金持ち祈願の神社があったり、イケメンのマネキンが炭坑夫の格好でいたりと、ゆるい演出に足も止まりがちに。
今や産業遺産が、世界遺産として登録される時代。しかし、こんなイケメンのマネキンを置いていては、マニアには物足りないかもしれません。
約800mの見学コースを終えて、中津江村の関係者の方にお話を伺う事ができました。むかし、国から村おこし予算として1億円が支給された時に、鯛生(たいお)金山なので、純金の鯛を作って、坑道内に飾っていたところ、ある日こつ然と消えたそうです。
↓が当時盗まれた『純金の鯛』。
特にセキュリティ対策もしてなかったようで、「そりゃ、盗られますわ!」と、思わず突っ込んでしましたが、そんなおおらかさが、Wカップの場外で何かと話題を提供していた、カメルーン代表とオーバーラップしてきたのでした。
記/ 門松弘樹 (2014.10.15)