岐阜県は養老町に、明治の風情ある旅館があるとのウワサを聞きつけ、【豆馬亭】にDECO-PONスタッフが視察。
今回のポイント【豆馬亭 (とうまてい】は、今から約130年前、明治13年に創業した歴史ある旅館。日本の滝百選や名水百選にも選定される有名な『養老の滝』の目と鼻の先に構えてます。
なんといっても、日本を代表する詩人『北原白秋』旅情の宿として有名で(※下右画像)、その他にもいろんな著名人たちが訪れた名旅館として、その名を馳せてるようです。
と、ここまでは歴史と風情ある名旅館として述べましたが、我がDECO-PON隊員としては、まったく違った視点でオトドケしていこうおもいます。
【豆馬亭】は養老公園の敷地内の山にあり、道中にも老舗旅館が何軒もみうけられます。急な坂をどんどん上ってゆくと、なんとも雰囲気がある旅館が目に飛び込んできました。これが【豆馬亭】です↓
この『養老山麓猪 元祖いのしし鍋』という看板は、道中のいろんな旅館も掲げてましたね。いのしし鍋はどうやら名物らしいです。
看板には【不老苑 豆馬亭】と書かれてます↓不老苑の後にペンキで消された痕跡がありますが、以前なにが記されてあったか少し気になるところですね。
その歴史が物語るように、なんともノスタルジック全開な建物。
しかしイメージとしては、『詩人旅情の宿』という風の洗練された想像とは裏腹に、意外に土着的というか、なにかしらの違和感を感じる雰囲気。
むしろ、『つげ義春・旅情の宿』といったガロ系な感じをどんより漂わせています。
旅館の正面から、ふと横に目をやると・・・そのなんともいえない違和感のモヤが一気に吹き飛ぶ・・・・・
骨?!ほね?!ホネ?!!!しかもサングラス・・・
こちらはハデなペイントが・・・・・いったい何の骨でしょうか・・・鹿でしょうか・・・
いのししの毛皮も吊るしてあります・・・・
ここ【豆馬亭】では、おいしい『いのしし鍋』も売りとのインフォもありますが、リアルすぎるアピールというかなんというか。絶句でした。
気を取り直して、正面の玄関前に戻ってきました↓
当日は、あいにく営業していなかったのですが、入口のガラス越しに少し内部が見えました。
木彫りの置物や、ひょうたんなど、あらゆる装飾が昔ならではのあたたかい風情を感じます。にしてもデカイ2頭の『鹿首の剥製』がレアすぎます。キジでしょうか鳥の剥製もありますね。イノシシの置物は木彫りかな?
いやぁ写真を見返しただけでもお腹いっぱいです。
最後になりましたが、そもそもこの【豆馬亭】と命名した由来は『島地黙雷 (しまじもくらい)』という漢詩を参考にしたとされます。
漢詩の内容が、『馬が一寸ほど、人が豆粒のように見える(ほどの絶景である)』という意味だったので、豆馬亭からの景色を見てそう命名したのではという云われがあるそうです。
今となれば個人的に、ケモノの骨と皮を吊るした【豆馬亭】そのものが、ある意味『絶景』でした。詩人旅情の宿という思惑に反した意外感。むしろ、養老山の自然と土着感が培った『謎の部族』が占拠してる的な基地感覚。
そういった感覚も含みつつ、北原白秋たちが愛した歴史ある旅情の宿、あるいはアングラ感あるガロ系の雰囲気など、個々様々な愉しみかたのできる貴重な旅館だとおもいます。
機会があれば今度はおもいきって泊まってみようかと。みなさんも行く機会があれば是非。
記/ Charlie Apple (2014.10.04)